長時間透析+自由食の透析治療を行っている透析者460名中、94名(20.4%)の透析者は、代表的な経口薬である降圧薬・リン吸収薬・高K血症治療薬(カリウム交換樹脂)・ビタミンD3薬を全面的に中止することができました。残りの366名(79.6%)は薬を使用しているものの、一部の使用に留めている透析者もいらっしゃいます(※2017年8月の1ヵ月間での調査結果)。
図1:代表的な経口薬の使用率(2017年8月の1ヶ月間での調査結果)
【降圧薬の使用を中止、もしくは減量させることができる理由】
食事制限により痩せてしまった体では、リンやカリウムなどを蓄えることのできる許容量が減ってしまい、結果として、リン吸着剤やD受容体作動薬(VDRA)が必要な状態に陥ります。自由食により健康時の栄養状態まで回復することで、減少してしまった「体が本来持っている許容量」を取り戻すことができるため、投薬の必要性を減らすことができると考えております。
図2:全国透析患者平均と比較した 長時間透析者のVDRA摂取量
図3:全国透析患者平均と比較した 長時間透析者のリン吸着剤使用量
※具体的な尿毒素の種類についてやメカニズムの解明のため、名古屋大学の研究室とともに調査・研究を行っております。