一般的に、透析患者の高血圧の有効な治療法として「塩分と水分の制限」が提唱されていますが、透析者の大多数は降圧薬を必要としているのが現状です。その矛盾点から過去の論文を検証し、高血圧の主たる原因は、透析時間の大幅な延長により除かれる「尿毒素」だという説にたどり着きました。
図1
長時間透析を行っている、かもめクリニックにおいても、食塩摂取量と血圧(MAP)の関係性について調査を行いました。図2は、その結果をまとめたグラフです。このグラフのとおり、長時間透析を行っていれば、食塩摂取量が増えても血圧(MAP)が悪化することはない、つまり高血圧の原因は塩分以外に考えられる。透析者の高血圧は、尿毒素や栄養障害による痩せが引き起こすという可能性が強まりました。
※具体的な尿毒素の種類についてやメカニズムの発見などのため、名古屋大学の研究室とともに調査・研究を行っております。
長時間透析者のMAPと食塩摂取量 および降圧薬服用錠数